治療日記4 首の痛み 頭痛
今回は長年の首の痛みと頭痛持ちの方の症例です
<症例 首の痛み・頭痛>
(治療期間3か月 2-3/週)
30代女性 仕事は事務職
既往歴 幼少期に階段から落下 腰痛 頭痛 便秘
初診時の訴えは
・上向きが出来ない
・起床時に首が痛くて起きる
・頭痛のon・offがある
以前より首周囲の痛みがあり、その他いろいろな症状を訴える方でした。
(不定愁訴が多い)
治療の方向性は
・レントゲンを撮って首の状態を確認する
・神経の状態を落ち着かせる
・起床時に痛みなく起きられる身体を作る
今回の方は首周囲の問題が多いですが、原因が特定しずらい(不定愁訴)状態だったので少し治療期間を長く設定しました。
その場だけの痛みを取る事よりも、しっかり眠れる身体を作ることを優先させました。
■初回の治療は顔や頭周囲を中心に行いました。
初めて顔に施術をされる方は、たいてい痛がります。
それだけ、神経が高ぶっており正常な状態ではないということです。
■2回目以降からレントゲンの情報を使い背中を治療していきました。
この方は幼少期に階段から転落しており、その時に強く首を打ち付けているそうです。そのため、首の状態はあまり良くなかったです。
首の上部と下部のバランスがあまりよくない状態です。
首の上部には体を休ませるときに働く神経の出口があるので(副交感神経といいます)、ここを痛めてしまうと疲れやすい身体になる可能性があります。
こういった方には強い刺激はかえって症状を悪化させてしまうこともあるので、比較的弱い刺激で、短めの治療を選択しました。
■2-3週間ぐらいすると、首の痛みは相変わらずでしたが、頭痛の頻度が軽減してきました。また、起床時の首が痛くて起きることも減ってきました。
わずかですが、眠れる身体になってきたことが分かります。
しかし、この段階で治療を中止したり治療ペースを変えてしまうと元に戻ってしまう可能性があるので、しっかりお話をさせてもらい通院を促しました。
患者さんの「良くなった」という言葉は、半分ぐらいの気持ちで受け取っています。
大切な事はその状態が継続できるような「構造」を取り戻したことを確認した時だけです。
■5-6週後には頭痛はほとんど出現しなくなりました。
便通も徐々に改善してきていましたが、座る時間が長くなり、活動量が減ってきたこともあり、依然不定期なままでした。
首の状態はVAS10→5・6を行ったり来たり。
治療後は楽に上を向くことが出来ますが、2-3日で元に戻ってしまう状態でした。
身体の機能的な所は改善が見られますが、良い状態を維持するところまではまだまだといった所でした。こういった方には何が必要になるのか・・これが難しい所です。
■3か月目
上の向きずらさ以外はほとんど訴えなくなり、状態も安定してきました。
レントゲンで確認した首の上部の状態が思った以上に悪く、これ以上の劇的な改善は見込みずらいという判断で治療を終了しました。
本人からも、ここまで楽になればいいと言って頂きました。
今回の症例は、レントゲンを撮ることでどこまでなら治療が可能で、それは
完治するものなのか、しないのか?
といったことが分かる症例でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。