治療日記 14 安静時の肩に痛みが出る症例

2023.10.26 カテゴリー:

みなさんこんにちは、いつもみずの整骨院のホームページをご覧になって頂きありがとうございます。

今回は肩関節の痛みについてお話させていただきます。
以前治療されていた60代男性のお話です。

患者像は
主訴:左肩・首周囲の痛み  夜間痛
仕事:デスクワーク
運動:特にしていない
食事:間食が多い
既往歴:幼少期に左鎖骨骨折  右第一肋骨骨折

いわゆる五十肩(年齢は60代ですが)のような症状ですが、可動域の制限がほとんど見られませんでした。
痛い側の肩はよく動くのです。
逆に健側の肩に可動域制限がみられました。

動きの制限がないにも関わらず痛みが出る事に本人も不思議がっていました。
そして安静時に左肩に痛みが出現していました。
動かして痛くないのに、座ってパソコン作業等をしていると痛みが出現してくるようでした。

レントゲン所見では幼少期の左鎖骨の変形治癒が残っていました(保存治療の為)
さらに頸椎の動きを確認すると伸展動作(上を向く)がほとんど出来ておらず、首の動きが少ない状態でした。
仕事でほとんど動くことがなく、運動もされてない様子だったので背骨は窮屈な状態が続いていたのでしょう。

<治療方針としては>
・左肩は自宅での運動をメインとする
・首の動きを優先させる
・間食を減らし、活動量を増やす

今回は肩の動きはさほど問題ないため、痛みの原因は首から来ているのではないかと推察しました。また、不動姿勢が長く続いておりさらに運動不足も重なってしまったことで、背骨の動きが制限されていたのではないか?
患部の問題だけではなく、姿勢を変えていく事が必要な状態だと考えました。

治療中にうつ伏せになったときには強く肩に痛みが出ており、仰向けになったときは腕を頭の上に持ってこないと痛みで治療が出来ないほどでした。
つまり首にストレスがかかる状態になると肩から腕に痛みが出るようでした。
このような場合は寝ている時に体は十分休むことが出来ておらず、組織の回復も十分には進んでいない状態なのでしょう。
まずはしっかりと眠れるように神経的な興奮を抑え、仰向き姿勢がとれるような運動と指導を続けていきました。

<運動を指導する際のポイント>
・現在動かせる範囲を最大限反復させる
・痛みを誘発させない
・鏡で動きを確認しながら行う
・毎日出来るようにルーティン化させる

結果として現在はうつ伏せの状態での痛みは無くなり、首の伸展動作も楽になってきました。依然としてパソコン操作などの座位保持が長くなるとまだ痛みが出てくる様子です。
本人も身体の変化は実感されていますが、良くなってくるとさぼってしまうとの事でした。(誰でも痛いときはマメにやってくれます・・)
今後はより全身運動を増やしていく事で代謝を挙げ、首や肩周りの動きをもっと出せるように指導していく予定です。
患部だけにとらわれないように常に全体を診て治療をしていかないといけない症例でした。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました👣

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