治療日記10 「ゴルフのスイング後に首から腰に痛みが出た」

2022.03.21 カテゴリー:

みなさんこんにちは、いつもみずの整骨院のブログを見て頂きありがとうございます。

本日はゴルフのプレー後に首が痛くなり、その後腰にまで痛みが出てきた方の症例を説明していきます。

<患者像>
30代男性 やせ型 偏食
睡眠時間5時間程度
土木業
既往歴 ぎっくり腰
スポーツ歴 バレーボール ゴルフ ウエイトトレーニング

<主訴>
ゴルフのスイング後に首に痛みが出てきて、その後腰が痛くなり左脚まで痺れが出てきた

<所見>
レントゲンでは首を正面から見た状態で少し回旋気味
腰は中心からやや左にシフト
尾骨の骨折像(おそらく幼少期)が見られた
常に左の股関節が外側に開いている
左脚が短く脚長差がある

正面から見ると首の軸がやや左に傾いて見えます

 

 

正面から見るとやや左に傾いている状態です

<治療目標>

  • 短期ではまず疼痛の軽減を目指す。
  • 夜にしっかりと眠れる身体を作る。
  • 長期では痛みが出にくい姿勢を目指す。
  • 座り方、立ち方、脚を組ませない、作業姿勢を見直す。
    まずは痛みの程度を抑える事を優先させる

    今回の方はゴルフ中に首を強く捻ったことで、筋肉の微少断裂や関節の炎症があったと考えられます。
    レントゲン上では正面から回旋しながらの変形が見られるため、おそらくもっと以前から首の状態は良くなかったのでしょう。
    当面は神経的な興奮を抑えるために、顔や頭部、仙骨周囲を軽く刺激します。
    いきなり痛い所を触ってしまうと、より痛みを強く感じてしまうので、そこを注意します。背骨のアライメント(背骨の生理的な湾曲)を整える
    レントゲンで問題のある所から順番に刺激をしていきます。
    治療前に可動域の確認や筋力の状態を見ておくことで、治療後にそれがどう変化しているかを慎重に診ていきます。
    痛みだけにとらわれていると体の変化に気づくことが出来ません。
    今回は首の5番、7番を中心に治療していきました。股関節の動きを注意深く観察する
    治療が進んでくると可動域制限があった股関節周囲が緩んできます。
    その理由は身体の軸が整う事で関節が本来の位置に戻ろうとするからです。
    それは人間の脳が正しい関節の位置を覚えているからです。
    治療中に何回も股関節をチェックすることで軸の変化を確認することが出来ます。

    姿勢の指導を入念に行う
    治療と同じくらい大切なのが、日常生活での姿勢です。
    普段の立ち方や、座り方、寝方を正しい状態にすることで、姿勢はより安定していきます。
    特に座っているときに脚を組む動作は体の軸を捻じ曲げてしまいますので、やめて頂くよう強調します。
    座っているときは足の裏を床にしっかり付け、座面に深く腰掛け、背中を密着すると良いです。そして少し顎を引いた状態でお腹に自然と力が入る姿勢を意識させます。
    身体は接地面が増える事でより安定した状態を保てます。

    寝る時は仰向けが理想です。
    背中が密着することで体が安定し、内臓や筋肉が休まります。
    どうしても仰向けが出来ない方は横向きでもいいですが、その際は膝の間にクッションをはさんだりして膝同士の間隔を作っておきましょう。
    うつぶせ寝は呼吸器の問題がある小児を除いて、極力避けた方が無難です。
    理由としては首の寝違えや顎関節周囲の圧迫、背中が付かないことで身体の回復が進まないからです。
    今回の方は力仕事が多いので、荷物を持ち上げる際に腰をかがめないように、股関節をしっかり開いて腰を落とす動作を指導させてもらいました。

    3ヶ月治療を継続してみて
    当初の痛み(首から腰、脚の痺れ)は残り1~2割程度となり、仕事で負荷がかかると少し気になる程度になりました。
    神経の興奮を抑え、首や骨盤の状態を整える事で症状は自然と治まっていきます。
    無理に電気を流したり、けん引したり、マッサージをしたら状態はもっとひどくなっていたかもしれません。
    本人には今後も姿勢に気を付けて仕事やゴルフに打ち込んでもらうよう、念を押しておきました。
    今後は定期的なメンテナンスを勧め治療を終了としました。

    今回のようにゴルフなどで身体を強く捻る動作を繰り返すと、体の軸がみだれていきます。原因を分析して、必要な個所に適度な刺激を加える事でその軸は整っていきます。
    さらに姿勢を正すことでいい状態をキープすることが出来ます。

    本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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