治療日記 12 柔道で腰を痛めた高校生

2022.05.18 カテゴリー:

みなさんこんにちはいつもみずの整骨院のブログを見て頂きありがとうございます。

今回は柔道で腰を痛めた高校生の治療経過をお話していきます。

患者像
年齢 高校1年 柔道部
性別 男
主訴 腰部の痛み  分離症の診断(整形外科にて)
既往歴 胸椎骨折 不眠 便秘

中学生時代に腰を痛めて、それ以降柔道の練習中に腰が痛くなるようになってきた。
整形外科にて腰椎分離症の診断をされてからは、リハビリとコルセットを巻くことを続けていた様子。

週に1回のペースで3ヶ月治療してみて

初めは神経の働きを整えるため、顔や頭部の治療を中心に行いました。
幼少期より柔道を続けており、体格はがっちりした様子でしたが全身の筋力は弱く、股関節や肩関節周囲の硬さが目立ちました。
腰椎の分離症は成長期に特定の動きを(回旋動作、伸展動作)やりすぎる事で、発生しやすいです。
腰部へのアプローチは最小限にして、他の関節が上手く動かせることを優先させ、動きの協調性を高めていきました。

最初の治療から2~3週間で腰の痛みは軽減し、下半身の動きがスムーズになってきました。痛みがある場所はうまく動かせていない結果だと考え、その場合は原因を先に治療することが必要になってきます。
今回の方も腰に意識が集中しすぎているため、他の関節や動きがどうなっているのかを考えられなくなっていたと思います。

3ヶ月経過してみて

痛みは軽減しており、通常の練習や試合では痛みは気にならなくなってきました。
普段の姿勢や食事内容、生活習慣に気を付けるようになり、睡眠もしっかりと取れるようになってきました。
睡眠の質が向上したことで筋肉の疲労や体の老廃物の除去が上手く出来るようになったと思われます。
以前使用していたコルセットはお守り代わりにして、特別つける必要は無い事を伝え
、練習後のストレッチや食事のコントロールを続けてもらうよう指導させて頂きました。

高校1年の場合、既往歴は運動を中心に聞くことが多いと思いますが、それだけでなく食事や睡眠、排泄といった所まで詳しく聞いた方がいいです。
今回の方も詳しく聞いていくと、幼少期は偏食があり、便秘や不眠で悩まされていたとの事でした。内科で診て頂いた時には自律神経が乱れているとの指摘をうけたそうです。

年齢からして身体の成長に変化が出やすい時期でもあるので、痛みだけでなく生活習慣の細かい所をチェックしアドバイスをすることが必要になってきます。

今回は食事の面から、牛乳や小麦、お菓子やジュースといったものを極力排除するように促し、和食を中心に野菜や果物を摂るように勧めました。
食事を見直すという事は、体の構成材料を見直すという事です。
便秘や不眠の方は自分の身体に合っていないものを食べている可能性があります。

特に成長期の子供は体を強くしようとして、偏った食事をとりがちです。
まずは牛乳や乳製品といったものを食事から排除して、腸の環境を整えていく事が大切です。
基本はお米やみそ汁、野菜、魚をバランスよく食べさせ、それでもお腹がすくようなら、食事の回数を増やすといいです。
その場合はお菓子や菓子パンではなくおにぎりや、焼き芋といったような糖質が望ましいです。さらに冷えたご飯を使う事で炭水化物中の食物繊維が増えるので(レジスタントスターチと言います)腸内環境を整える上で大切なポイントです。
急いで食べると血糖値の急激な変化があるので、血糖が低下した時に強い空腹感を感じさせます。食事はゆっくりと噛んで、時間を使うと良いでしょう。

まじめな中高生は部活やクラブの練習を頑張りすぎる傾向にあります。
調子が悪い時も練習を普段通りにやってしまい、思うようなプレーが出来なかったり、パフォーマンスが落ちてしまいます。
そのような場合は一度しっかりと休ませ、食事や睡眠、排泄といった身体の基礎となる部分を見直すことが必要です。
心身ともに整った状態で運動することが長く続けられるコツであり、ケガを防ぐ手段であると考えます。

今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(__)m

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