脳に効果的な痛みをコントロールする運動療法

2025.12.17 カテゴリー:

みなさんこんにちは、いつもみずの整骨院のホームページを見て頂きありがとうございます。

当院は脳神経や背骨の状態を整えて自然治癒力を高める事に特化した治療を提供しております。
今回は痛みをコントロールするためのセルフアプローチについて説明していきます。

前回お話した痛覚変調性疼痛は脳の記憶や認知機能、情動といった領域が痛みを感じているというものでした。
そもそも痛みは侵害受容器への刺激や神経そのものが圧迫・損傷された際に発生するものと考えられていました。

しかし脳の中で痛みを感じているエリアが感情をつかさどるような領域に変化していく事でより複雑な痛み体験するようになってきました。
この状態になると一般的な痛み治療は効果が薄く、治療に難渋することがしばしば見受けられます。

そこで今回は違ったアプローチ法を紹介します。
普段から何気なく行っている人もいると思います。

①認知行動療法(cognitive behavioral therapy) CBT
②マインドフルネス(mindfulness based cognitive therapy)MCBT

①認知行動療法とはいわゆる前向き思考法と言われるものです。
「心のもち方」をどれだけポジティブに変えられるか。具体的には患者さんの苦悩に対しての論理的な間違いを修正していきながら、ものの考え方を改めていく方法です。患者さんが昔から持っている考え方の癖や、普段から使っている言葉や行動などを少しづつ前向きに修正していくやり方です。
すぐに悲観的になったり後ろ向きな発言を繰り返したりすることを見直していきます。
口頭で注意するだけでは反発したり、言い方を変えてくるだけなので、当人の行動やしぐさに結び付けてあげると良いと思います。
具体的には痛みに対してマイナスの言葉が出た場合は、出来る範囲で笑顔を作り、
「大丈夫、少し落ち着けばこの痛みは治まってくれる」
「そうか、体が休めと教えてくれている」
「前より痛みの程度が軽く感じる」
などの前向きな表情や言葉を使う事です。

人間の脳は普段から使っている言葉や行動を意識下にしまい込んでいます。
常に良い言葉や前向きな行動・しぐさ(前を向く、笑顔を作る)はそのまま人間の人格を形成します。
なので痛みに支配されている自分を徐々に良い方向に修正していく事が必要になります。
周りの人や家族は、その言葉聞いてあげたり、受け入れてあげれば良いと思います。
「がんばれ!」「気合で治せ!」みたいな言葉は思っていても口に出さない方がいいですね。

②マインドフルネスは禅寺で行う瞑想を起源に持つ療法です。
特に宗教的な関係はないので座禅などを組む必要はありません。
全身の力を抜いて姿勢正しく座ります。意識を自分の呼吸や身体の動きに集中して静かに観察するだけです。今を生きているありのままの自分に気づかせ、後悔や不安、過剰な負の情動を外に締め出すようなイメージを持ちます。

脳は音や光、におい、振動があるとそれに意識が向かってしまいます。なので静かな空間で物がない状態で行うとより集中できます。
この際にお腹で呼吸をする(腹式呼吸)をゆっくりと行うと良いです。
4秒で息を吸い、8秒で息を吐いていく。

上記は主に頭の中へのアプローチ法です。
痛みが脳の感情や認知機能、情動をつかさどるエリアに及んでいることから、いかに気分を良くして前向きな考え方に出来るかが大切になってきます。
その時にどのような言葉や行動、しぐざ、環境が必要なのかは個人によって違います。その人に合った言葉選びや環境設定が必要になります。

普段から自分の言葉や行動を観察して、落ち込んだり嫌な時があった場合によく使っているフレーズなどを見直してみて下さい。
人間なので愚痴の一つや二つは言いたくなりますが、痛みに支配されている方たちはその頻度や時間が極端に長く深くなっていると考えます。
その結果、破局的な思考に陥り、治そうにも気持ちと体がついてきてくれなくなってしまうのではないかと思います。

最後に認知行動療法やマインドフルネスにて少しでも痛みが楽になった後には、少しづつ身体を動かすようにしてください。
最終的には痛みは体を動かすことで解消されていく事が多いからです。
その際、少しづつ外を歩くことから始めてみて下さい。
色々な景色に目を配らせながら、軽く腕が振れると良いですね。
すると自然と活動量が増えてきます。本格的な運動はそのあとで大丈夫です。

健康な人が実践しても十分効果的なアプローチなので、みなさんぜひ実践してみて下さい。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

ページトップへ