治療日記2 交通事故後 首の痛み

2019.07.16 カテゴリー:

今回は単独の交通事故で前方に追突された方の症例です

<症例 頚部から背部にかけての痛み>
(治療期間 2か月間 2-3回/週)

30代男性 仕事は機械製造業
既往歴 便秘症 腰痛
原因 居眠り運転で前方に追突

初検時の訴えは
・頚部から腰部にかけての鈍痛
・痛みは常時ではなくon・offがある
・起床時・夕方に症状が増加
・長時間座位で痛みが増加 など

他の接骨院で治療を受けていたが、引っ越しを機に自宅近くの接骨院を探しており
たまたまネットで見つけて来院されました。

治療の方向性は
・神経の高ぶりを押さえる事
・治療ペースを作り、変化を実感してもらう事
・夜眠れる身体を作る事

といった構成で進めていきました。
バイタルリアクトで事故の患者さんを診ることが初めてだったので、手探り状態で始めました。
ただ、治療スタイルは同じで脳・脊髄からの治療を中心にしました。
事故後は必ずむち打ち症状が出てくるので、寝つきが悪くなり夜に何回も起きたりします。
なので神経の高ぶりを押さえ、眠れる身体にする事を優先し、かつそれを実感してもらえるように週2-3回のペースを提案しました。

■初回の治療は顔を中心に行い、脊椎へのアプローチは2回目以降にしました。
本人からするとまず背中や腰を触って欲しいと思うはずですが、ここは症状だけを押さえる治療ではないので何回もお話をしてご理解を頂きました。

*最初の説明で治療の順番や優先順位をしっかり伝えておかないと、治療への不信感につながりうまく治療が進まなくなります。
大切な事は何回でも説明しないといけません。

 

■治療を始めて2週目までは起床時や日中に痛みやだるさが出ていましたが、3週目に入ると徐々に訴えが減ってきました。(VAS10→7or8)
*VAS・・一番痛い状態を10として、痛みのない状態を0とした場合の痛みの尺度

・夜あまり起きなくなってきた
・朝の痛みが減ってきた
・仕事で立ちっぱなしでも疲れづらい状態になってきた など

■治療開始後5週目に入ると、皮膚の状態が良くなり、便通も整ってきました。
首や腰の痛みはあまり訴えなくなってきました。(VAS10→5)

肌の状態や便通は自律神経がうまく働いてくれないと改善してきません。
今回のように事故後で眠れない状態が続くと、そういった症状が出てきます。
その場合まずは顔や上部頸椎(首の上の方)、そして仙骨(お尻周囲の骨)の治療を優先させます。
なぜなら、そこが自律神経をコントロールしてくれているからです。
枝葉の治療はそのあとでいいと思います。

■7週目に入ると症状はほとんどなく、夜も眠れている状態でした。
仕事で夜勤のシフトになっても痛みは出てきませんでした。(VAS10→1or2)

■8週目で検査をして、関節の状態や筋力・バランスなど状態がよかったので終了としました。本人もしっかり治すことができてよかったと言われていました。

今回のように事故後の治療を行う場合、痛い場所だけの治療をしていたら短期間での治癒は難しかったと思います。
検査をして、優先順位の高い場所から(神経や脊髄)治療をすることでしっかり眠れる身体を作ることができました。
そうすることで、自分の身体が自分を治し始めてくれました

あとはそれを邪魔しないように、足りない部分を補うような治療をしていけばいいのではないかと思います。(今回はうまくいってくれたのでほっとしています)

最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!

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