治療日記7 頚部痛 頭痛

2019.12.10 カテゴリー:

今回は頚部痛と頭痛が続いている方の症例です。

<症例 頚部痛 頭痛>
(治療期間 3か月 1回/週)

50代女性 仕事 看護師
既往歴 交通事故 骨粗鬆症 首・腰痛

初検時は
・頚部から背中にかけての疼痛
・常時続く痛み
・天気の変わり目に必ず頭痛が出る
・夜中によく起きる

治療の方向性は
・まずはレントゲンを撮ってもらい頚部から腰部を分析すること
・神経の高ぶりを押さえ、夜に眠れる身体を作ること
・できれば痛み止めの薬を徐々に減らせるようにすること

という構成で進めていきました。
頚部の痛みからくる頭痛であれば、しっかりとレントゲンを撮ってからでないと、首は触らない方がいいと判断しました。
夜に眠れていないので身体は休むことが出来ていません。
しっかりと眠れる身体を目指していきます。

初回の治療は顔や頭といった所を治療して神経の高ぶりを押さえていきました。
すると関節部の固さが柔らかくなり、筋力の出力も上がってきました。
まずは痛みが出ている所ではなく、体をコントロールしている脳にアプローチすることで変化を見ます。

今回の患者さんは過去にいろいろな施術を受けられてきた方で、やはり痛い場所から触って欲しいという要望が強かったのですが、この治療の考え方を繰り返し説明させてもらい何とか理解して頂きました。

痛い場所からの治療が当たり前なのですが、違う角度からの治療も存在するという事を分かってもらうために、何回も説明して、治療させてもらった後に変化が出ていれば患者さんはその考え方を受け入れてくれます。
初めての事はなかなか受け入れにくいのが人間の常だと思います。

1~4週目
頚部の痛みはあるものの、真夜中のトイレの回数が減ってきました。
以前は必ず夜中に数回トイレに行っていたのですが、それが減少してきました。
頭痛薬の服用も以前よりは間隔が長くなってきました。
まずは体を休ませることを意識して頂きました。

5~8週目
週1回の治療で何とか身体がもつようになってきましたが、依然めまいや頭痛が継続していました。本人より天気に左右されることが多く、雨の前日になると必ず頭が痛くなるとの事でした。
しかし、頚部の動きは楽になってきておりその分身体が動けるようになってきました。運動量が増えてきた加減で膝や腰の訴えも増えてきました。

人は状態が良くなると、どんどん身体を動かすようになってきます。
決まって他が痛くなるので、そのことを事前にお話ししておかないといけません。

9~12週目
長期の旅行に痛みなく行くことが出来たそうで、本人も効果を実感されておりました。頚部の痛みや頭痛はほとんど訴えられなくなりましたが、不定期に肩甲骨周囲の違和感や頭がふわふわする感じは残っていました。
3か月が経過したので状態を確認するために再度レントゲンを撮って頂き、前後の評価をさせて頂きました。

 

治療前 頸椎側面
3か月後 頸椎側面

 

 

 

 

治療前 頸椎屈曲位
3か月後 頸椎屈曲位

 

 

 

 

治療前 頸椎伸展位
3か月後 頸椎伸展位

 

 

 

 

側面のニュートラル画像に大きな変化は見られませんでしたが、下と上を向いた画像は優位に向きやすくなっていました。
本人も確かに首は向きやすくなっており、痛みは軽減してきた。と言っておられました。

ただこの段階では頸椎の前彎が出来ていないので、治療は継続した方が良いと判断しました。必ずしも3か月で頸椎のカーブが改善してくる訳ではない、という事が判明した症例でした。(腕がまだまだという事だと思います・・)
当初の症状はかなり楽になっていたので、本人は定期的に施術を続けていきたいと言われていました。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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