治療日記8 頸椎の痛み

2021.04.13 カテゴリー:

みなさんこんにちはいつもみずの整骨院のブログを見て頂き誠にありがとうございます。

今回は頸椎(首)の痛みについて症例を交えながら説明していきます。

症例 頸椎症
患者像 50代 男性 事務職
主訴 右の首から腕にかけての痛み 不眠
原因 寝返りの時に強く捻って、寝違えて起きた

初診時の訴えは
首が動かせない(特に上と右方向に)
右腕の外側に痛みが出る
眠れない 何回も起きる など

以前から当院にて施術を受けておられた方ですが、突然調子が悪くなり再度来院されました。
レントゲンを撮影してきて頂き、頚部と腰部の評価をしました。
その結果、頸椎下部の椎体が大きく変形している箇所が見れました。
おそらく数年前から変形はあったものと推測できます。
さらに首の生理的な前彎が見られず、動態撮影においてもうまく動きが出ていませんでした。

治療前 頸椎 側面
治療前 頸椎 屈曲位
治療前 頸椎 伸展位

 

 

 

 

■治療の方向性は
・身体が休まる為の姿勢を作る
・神経の高ぶりを抑え、楽に眠れるようにする
・頸椎を生理的な前彎に近づける

治療ペースを週に2日に設定して、毎回痛みの評価をしていきました。
人間の身体は寝ているときに組織の修復や疲労の回復をするように出来ているので、睡眠状態を変えていく事が大切です。
この方は睡眠薬を(ごく軽いもの)使用しないと眠れない状態でした。
また、コロナ渦の為外出する機会が減っており運動不足にもなっていました。
運動・睡眠不足、さらにデスクワークでパソコン作業が長い。
身体が回復するための要素が足りていない状態です。

■背骨と神経の状態を整える
まずは頸椎の動いていない部分に軽い刺激できっかっけを与えます。
痛みを増幅しないように楽な姿勢で短時間で行います。
次に顔や頭部を刺激していきます。
顔や頭部を治療することで関節の動きや力の入り方、骨盤や足先の向きに変化がみられるかが重要です。
さらに座位・立位・臥位での姿勢が楽に出来ているか、歩行時の足運びや接触している面が変わってきたか。
上記のような変化がみられるまで背骨や神経系の治療を続けていきます。

■姿勢の変化が現れるまで待つ
不良姿勢が続くと体のいろいろな所に負荷がかかってきます。
それが長期で続くと、人によっては痛みやだるさ、神経を圧迫していればしびれや筋力低が見られます。
治療を進めていくうえで大切な事は症状や訴えだけを治療のターゲットにしないで、姿勢が正しく変化しているかが重要なポイントです。
これを見落としていると、間違った治療や過剰な治療をしてしまう事になってしまいます。

■眠れるようになると痛みも軽減する
初回以降2~3週間までは寝付きが悪く、途中で起きてしまう状態でした。
VAS10→7or8といった具合でした。
しかしその後は徐々に入眠がスムーズになり夜中に起きる回数も減ってきました。
その間に家での運動として、首の前後屈、肩甲骨の運動、顎を引いてお腹に力を入れる姿勢、30分弱のウォーキングを指示しました。
痛みのない範囲で運動をすることで骨や筋肉に刺激が加わり深部体温が上がります。
一日の中で体内の温度差を作ってあげる事で、夜に深部体温が下がりやすくなります。
子供が外でたくさん遊んでくれた日は良く寝てくれる、そんな感覚です。
眠っている間に体の組織の修復が始まり、関節の炎症や、筋肉疲労、内臓の働きが改善されてきます。

治療後 頸椎 側面 前方へのカーブが出てきました
治療後 頸椎 屈曲位 曲線で曲がるようになりました
治療後 頸椎 伸展位 上を向けるようになってきました

 

 

 

 


■痛みが取れた後も、運動・食事・睡眠に気を付けるべき

今回の患者さんは最終的に2か月程度で体の調子は改善し、それ以降はメンテナンスで通院して頂いております。
今後はひどい痛みが再発しないように以下の生活習慣を指導させて頂きました。
・食事の量や質、摂取するタイミングを変えてみる(一日2食でも良い、良質なたんぱく質や野菜、果物を十分摂る、21時以降は食べないなど)
・時間のある時に30分程度の有酸素運動をする、体調が良いときに強度の高い運動をしてみる。
・睡眠環境を整える(光、音、振動は深い眠りを妨げます。眠る直前のPC・スマホ作業は極力控える。)

健康的な身体を作る為には正しい生活習慣を送ることが必要です。
普段何気なく過ごしている中に見直した方が良い習慣があると思います。
些細なことかもしれませんが、それを一つづつ治していければ、良い習慣が身につくはずです。根気よく続けてみてください。

本日も最後まで読んで頂き誠にありがとうございましたm(__)m

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